AI映像・ドラマ制作
制作の舞台裏 ― 生成AIだけで連続ドラマを作った全工程
連続ドラマ「空白を埋める者」は、脚本から映像・音楽・編集まで、全工程を生成AIで制作しました。この連載では、その制作過程で実際に分かったことを工程ごとに記録しています。うまくいった手順だけでなく、つまずいた箇所と、それを避けるために決めたルールもそのまま残しました。
第1回から順に読むと、AI制作の流れをひととおり追えます。
AIだけで連続ドラマを作ってみた ― 全工程を自動化して分かったこと「脚本も、映像も、音楽も、ナレーションも、ぜんぶAIで作れるのか」——答えは「作れた」だった。
AIを「7人のチーム」にして映像制作を回す生成AIで連続ドラマを作るとき、いちばん効いた判断は「AIを1人の万能選手として使うのをやめたこと」だった。役割ごとに分け、それぞれに別の指示書を持たせる。いわば7人のチームにした。
AIは平気で嘘をつく ― 失敗から生まれた“絶対ルール”集生成AIだけで作った連続ドラマ「空白を埋める者」。全121シーンの制作で、実際に本編へ使ったカット画像は677枚だった。その裏で、1,652枚をボツにしている。不採用率は71%。採用1枚あたり2.4枚が没になった計算だ。
良い・悪いをAIに採点させる方法自分で作ったものは、良いのか悪いのか、だんだん分からなくなる。3時間見続けた絵は、おかしくても見慣れてしまう。
AIに世界観のBGMを作らせる映像の印象は、実は音楽で大きく決まる。私たちは作曲AIを使い、ドラマの世界観に合うBGMを9曲つくった。制作にかかったのは1日である。
散らからないAI制作術 ― 命名とバージョン管理AIを使うと、成果物が一瞬で大量に増える。そして、あっという間に散らかる。私たちの制作では、採用したカット画像677枚に対し、不採用が1,652枚たまった。動画も採用486本に対し不採用367本ある。
画像・動画AIの“つまずきポイント”集きれいな画像を1枚だけ作るのは、もう簡単だ。難しいのは「1つの連続した作品」に仕上げることである。
第1部のまとめ ― AI制作で本当に大事だったこと全工程をAIでやってみて、いちばん効いたのは——意外にも、派手なテクニックではなかった。近日公開
AIに声を演じさせる ― 先に「秒」を割る全121シーンのドラマで、声はいちばん最後に足すものだと思っていた。実際は逆だった。声を入れると決めた瞬間に、映像の作り方そのものが変わる。今回は、その順番を取り違えて起きた事故と、そこから決めたルールをお伝えする。近日公開
司令塔はExcel1枚だった121シーンの制作を回していたのは、しゃれた管理ツールではなく、Excelのシート1枚である。行が1カット、列が「そのカットに必要なもの」。AIはこのシートを読んで作業し、結果をこのシートに書き戻す。今回は、その台帳の作り方をお伝えする。近日公開
9割ボツにする前提で作る本編に使ったカット画像は677枚。その裏で1,652枚をボツにした。不採用率71%。しかもボツは全体に薄く散っているのではなく、特定のカットに山として積み上がっていた。今回は、その山を実際に数えた結果をお伝えする。近日公開
1本の映像を、別の場所へ配り直す同じ作品でも、置く場所が変わると作り方が変わる。横長で作った本編を縦型の短い動画にし、さらにFacebookのリールへ出してみて分かったのは、変えるべきなのは絵ではなく入口と出口だということだった。近日公開
作ったあとの数字の読み方公開して21分後、閲覧数は9だった。「やはり伸びない」と結論を出しかけたが、翌朝には259になっていた。作ることより難しかったのは、出したあとの数字を読むことだった。今回は、私たちが実際にやった誤読を3つ公開する。近日公開
人物を「設計書」で固定する ― 説明ではなく資料を渡す第3回で「人物の顔は文章で説明しない」と決めた。説明を足すほど、AIはその文章に忠実な別人を描くからである。では、そのかわりに何を渡すのか。答えは、人物1人あたり十数枚の参照画像と、AIには渡さない設計書だった。近日公開
小道具に寸法を与える ― 形容詞では固定できない物語の鍵になるペンダントを、121シーンすべてで同じ形に保つ必要があった。そのために書いた仕様書は153行。中身は「アンティーク調の上品なロケット」ではなく、縦38mm・横30mm・厚さ7mmという数字だった。近日公開
やめたことを、日付と再開条件つきで残す制作の記録には、「やったこと」と同じ量だけ「やらないと決めたこと」が並んでいる。いつ、何を、なぜやめたか。そしてどうなったら再開するかまで書いてある。後から効いたのは、こちらだった。近日公開
同じ日に出した6本で、再生が桁2つ違った同じ日に、同じ作品の短い動画を6本まとめて公開した。結果は 1,880・1,058・869 に対して、16・19・15。同じ作品、同じ日、同じ作り手である。桁が2つ違った。今回は、この差の原因を2回続けて取り違えた話をお伝えする。近日公開
平均が下がった本当の理由 ― 変わっていたのは「入ってくる人」だった本編の平均視聴率が、28.0% → 22.8% → 13.7% と落ちた。回を追うごとに質が落ちている——そう読んで、テンポを速くする改修に入りかけた。実際の原因は、まったく別のところにあった。近日公開
ドラマ本編は 【AIオリジナルドラマ】脚本・映像・音楽、すべてAIが生み出す5分間の物語 からご覧いただけます。
