AI映像・ドラマ制作

【制作の舞台裏 第1回】AIだけで連続ドラマを作ってみた ― 全工程を自動化して分かったこと

公開日: 2026.06.19

「脚本も、映像も、音楽も、ナレーションも、ぜんぶAIで作れるの?」——答えは「作れます」でした。一般社団法人AI活用推進機構では、AIクリエイティブラボの取り組みとして、短編ドラマ「空白を埋める者」を、ほぼ全工程AIで制作しました。

この連載「AI制作の舞台裏」では、実際にやってみて分かったことを、専門知識ゼロの方にも分かる言葉でお届けします。ドラマづくりの話に見えて、その中身は中小企業の日々の仕事(資料作り・販促・情報整理)にそのまま効く「AIの使いこなし方」です。

そもそも、何を作ったのか

福岡を舞台にした人間ドラマの短編映像です。登場人物の設定、物語の構成、各シーンの絵、動く映像、世界観に合うBGM、登場人物の声——映像作品に必要な要素を、人間が「監督」として方向を決めながら、実作業の多くをAIに任せて仕上げました。

本編はこちらでご覧いただけます 👉 【AIオリジナルドラマ】空白を埋める者

なぜ、機構がドラマを作ったのか

理由はシンプルで、「AIはここまでできる」を、言葉でなく“作品”で体感してほしかったからです。「AIは文章を書くだけでしょう?」というイメージを、実物で更新したかった。そして何より、私たち自身がAIを限界まで使い倒すことで、会員企業の皆さまに渡せる“本物のノウハウ”が貯まると考えました。

全体の流れ(ざっくり7工程)

難しそうに見えますが、やっていることは「分けて、頼んで、つなぐ」だけです。

  1. 物語を設計する(だれが・何に悩み・どう変わるか)
  2. シーンに分解する(映像を小さな“カット”の一覧表にする)
  3. 各カットの絵を作る(画像生成AI)
  4. 絵を動かす(動画生成AI)
  5. 音楽をつける(作曲AI)
  6. 声をあてる(音声合成)
  7. つなげて仕上げる(編集)

ポイントは、いきなり完成品を作らせないこと。大きな仕事を小さな単位に割って、AIに一つずつ頼む。これは資料作りでも提案書でも、まったく同じコツです。

一番の発見 ―「AIを“7人のチーム”にした」

最大の学びは、AIを1人の万能選手として使うのをやめ、役割ごとに分けて“チーム”にしたことです。脚本担当・絵担当・動画担当・音楽担当・全体の進行管理担当・つじつま(設定の矛盾)チェック担当…というように、AIに「あなたはこの役割だけをやって」と仕事を渡すと、品質が一気に安定しました。

これは機構そのものの運営(複数のAI社員が分担して機構を回している仕組み)とまったく同じ発想です。「AIに何でも頼む」より「役割を決めて頼む」——この一点だけでも、明日からの仕事が変わります。詳しい役割分担の設計は、次回以降でじっくり解説します。

もちろん、失敗だらけでした

きれいごとではなく、AIは平気で“それっぽい嘘”をつきます。前のシーンと服装が変わる、指定していない物が映り込む、同じ画像が二度出てくる——こうした事故を一つずつ潰すために、私たちは「我が家の絶対ルール集」を育てていきました。この“失敗から生まれたルール”こそ、この連載で一番お渡ししたい財産です。

この連載でお届けする予定

  1. 総論:AIだけでドラマを作ってみた(今回)
  2. AIを「7人のチーム」にして映像制作を回す
  3. AIは平気で嘘をつく ― 失敗から生まれた“絶対ルール”集
  4. 良い・悪いをAIに採点させる方法
  5. AIに世界観のBGMを作らせる
  6. 散らからないAI制作術 ― 命名とバージョン管理
  7. 画像・動画AIの“つまずきポイント”集
  8. まとめ ― AI制作で本当に大事だったこと

各回、無料で「考え方」を公開します。実際の指示文(プロンプト)やルールの全文といった“そのまま使える中身”は情報会員限定でお届けします。

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この連載では「考え方」を無料で公開しています。情報会員(月額6,600円〜)になると、当機構が実際に使っているAIへの指示文(プロンプト)の全文・そのままコピーして使えるテンプレート・7体のAIに役割を分担させた運用ルール・失敗から作った“絶対ルール”集まで読めます。

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