こんにちは。福岡で中小企業のAI活用を応援している一般社団法人AI活用推進機構です。私たちの事務局は「AI社員」が請求書づくりやホームページ更新、問い合わせの一次対応まで日々まわしています。この連載では、そこで実際につまずいて学んだことを、なるべく素人の言葉でお伝えしています。今回は「AIの提案が、いつの間にか誰にも読まれなくなっていた」という失敗談です。
毎月届く「補助金どうですか」を、誰も読まなくなっていた
私たちはAIに、補助金の情報を毎月チェックして「申請を検討してみては」と提案する仕事をさせていました。最初は「気が利くなあ」と思っていました。ところが、これが続くうちに妙なことが起きます。
補助金は、何か大きな買い物や設備投資の計画があってこそ意味があります。でも私たちに毎月そんな計画があるわけではありません。計画がない月にも「補助金どうですか」と届くので、だんだん「ああ、またいつものやつね」と、中身を見ずに閉じるようになっていったのです。せっかくAIが調べてくれているのに、提案そのものが空気になっていました。
「毎月やる」より「条件が揃った時だけ」の方が長続きする
そこで設定を思い切って変えました。「毎月調べて提案する」のをやめて、「自分たちに大きな導入計画が生まれたときだけ、それに合う補助金を調べて教えて」という形にしたのです。
これは目覚まし時計に例えると分かりやすいかもしれません。毎朝同じ時間に鳴る目覚ましは、必要のない休みの日にも鳴り続けると、やがて無意識に止めるクセがついてしまいます。それより「電車が遅れたときだけ鳴らす」ようにできれば、鳴った瞬間に「お、今日は本当に急がなきゃ」と体が動く。AIの提案も同じで、いつ届いたら嬉しいかという条件を決めておくと、届いたときの重みが戻ってきます。
実際、変えたあとは提案が届く回数はぐっと減りましたが、届いたときは「これは今の自分たちに関係ある話だ」と自然に読むようになりました。
まねできる3つのコツ
コツ1:とりあえず定期便、をやめる。「毎日」「毎月」で動かす設定はラクですが、内容が変わらないと必ず流されます。〈✕とりあえず毎月提案〉→〈○必要な条件が起きた時だけ提案〉に切り替えるだけで、同じAIでも印象がまったく変わります。
コツ2:「いつ届いたら嬉しいか」を具体的な言葉にする。ここが一番効く一手です。「補助金をたまに教えて」ではなく「大きな導入を決めたときに、それに使える補助金を教えて」と、きっかけをはっきり決める。条件があいまいだとAIは結局いつも通り動いてしまいます。例:「問い合わせが3日返事待ちになったら教えて」のように、動く条件を一文で言えるかを試してみてください。
コツ3:条件を「お願い」だけで済ませない。私たちは念のため、「計画がないときは提案を出さない」という歯止めを、Aiへのお願いとは別のところにもう一段組み込みました。AIは賢いですが、こちらの指示をうっかり緩く解釈することもあります。人間の仕事でも「口約束」と「チェックリスト」の両方があると抜けが減るのと同じです。
やりすぎると、必要な連絡まで止まる
ただし、なんでも「条件が揃った時だけ」にすればいいわけではありません。条件をきつくしすぎると、本当に届いてほしい情報まで来なくなります。定期的な健康診断のように「決まって届いてほしいもの」は残す。逆に「計画があってこそ意味があるもの」だけ条件つきにする。この線引きを、届いた情報を実際に読むかどうかで見直すのがちょうどよい加減だと感じています。
まとめ
AIの提案は、多く届けば役に立つわけではありません。「毎回決まって」より「特定の条件が揃ったときだけ」動かす方が、一つひとつの提案が生きてきます。まずは今、流し読みしているAIからの定期連絡がないか、そして「いつ届いたら嬉しいか」を一文で言えるかを見直してみてください。
よくある質問
Q. 条件を決めるのが難しそうです。何から始めればいいですか。
A. まず「最近、来ても読まなくなった通知」を一つ思い浮かべてください。それが止めてよい定期便の候補です。次に「どんなときなら読みたいか」を一文で書く。この二つがそろえば、条件づくりの半分は終わっています。
Q. AIに条件を伝えても、思った通りに動いてくれるか不安です。
A. お願いの文章だけに頼らず、簡単な歯止めをもう一段用意しておくと安心です。私たちも「条件を満たさないときは何も出さない」という仕組みを別に足しています。
Q. 自社に合うかどうか相談できますか。
A. はい。無料相談(30分程度)を承っています。当機構へお問い合わせください。お問い合わせフォームに「無料相談希望」とご相談内容・ご希望日時を添えてお送りいただければ、日程を調整いたします。
