制作の舞台裏
【制作の舞台裏 第12回】1本の映像を、別の場所へ配り直す
同じ作品でも、置く場所が変わると作り方が変わる。横長で作った本編を縦型の短い動画にし、さらにFacebookのリールへ出してみて分かったのは、変えるべきなのは絵ではなく入口と出口だということだった。
入口——最初の3秒ではなく、4秒目で落ちる
短い動画は冒頭で決まる、とよく言われる。実際に自分たちの数字を引くと、少し違う景色が見えた。Facebookリールの実測で、3秒時点で98.8%と100%が残っていた。冒頭では、ほとんど誰も離脱していない。
大きく落ちるのはその先だった。1本目は4秒地点で12.4ポイント、2本目は5秒地点で15.8ポイントの落ち込み。「冒頭が弱くて落ちる」のではなく、「4秒目に次の何かが無くて落ちる」のである。
だから設計は「最初の3秒に最強の絵を置く」だけでは足りない。2〜4秒に1回、画を変える。20秒の動画なら6〜12回。長回しは、そのまま離脱になる。
出口——そこにリンクは置けるのか
もう一方の端が、出口である。見た人をどこへ送るか。ここは場所ごとに、置けるものが違った。
- YouTubeの縦型動画:終了画面もカードも使えない。説明文は畳まれて読まれない
- Facebookのリール:そもそもボタンを追加できない(追加しようとすると「メディアを削除してください」と言われる)
つまり動画の中にリンクを置けない。ここを見落とすと、届いた人を受け止める先が無いまま配信することになる。私たちは受け皿を動画の外に作った。固定コメントと、ページに固定した投稿である。
