「速くしたい」から複数のAIを同時に走らせた、その結果
当機構の事務局は、複数のAIを同時並行で動かす場面があります。「片方で記事を書かせながら、もう片方で別の資料を直させる」——そのほうが速いからです。
ところがある時、2つの作業が同じ書類(ファイル)に手を入れていて、片方が直した内容を、もう片方が知らずに上書きして消してしまうという事故が起きました。どちらのAIも自分の担当としては正しく動いていたのに、結果として作業が消えた。原因は「今、誰が何を触っているか」を誰も把握していなかったことです。
これは人間の組織でも同じです。2人が同じエクセルを別々に開いて、それぞれ保存したら、後から保存したほうで上書きされる——あれと同じことが、AIを同時に使うと一気に起きやすくなります。
コツ① 「今やっていること」を書き出す共有メモを持つ
当機構では、AIに作業を始めさせる前に「自分は今からこれをやる」と共有メモに書き込ませるようにしました。新しく動き出すAIは、まずそのメモを見て「他に誰が何をやっているか」を確認してから始めます。たったこれだけで、同じ書類に同時に手を入れる事故がほぼ無くなりました。中小企業なら、共有のホワイトボードやチャットの一行でも十分です。
コツ② 仕事を「分ける」——同じものを2人(2台)で触らせない
一番確実なのは、そもそも担当範囲を重ねないことです。「Aの作業は請求書、Bの作業はHP」のように、触る対象を分けてしまえば衝突しようがありません。同時並行は速くて魅力的ですが、「同じ書類を2つの作業が同時に触っていないか」だけは必ず確認します。重なりそうなら、片方が終わるのを待つほうが結局は速い。
コツ③ 最後に「ひとつにまとめる人」を決める
並行作業のあとは、最後に全体を見て整える役を決めておきます。バラバラに進んだ結果を突き合わせ、矛盾やダブりが無いかを確認する。この「最後の交通整理」を人間が担うことで、安心してAIを並行で走らせられるようになりました。
まとめ
AIは速いので、つい何本も同時に走らせたくなります。でも「速さ」を求めるほど、お互いの作業を上書きし合う事故が起きやすくなります。①今やっていることを書き出す共有メモ、②担当範囲を分ける、③最後にまとめる人を決める——この3つの交通整理で、同時並行のメリットだけを安全に受け取れます。AIの並行活用でお困りのことがあれば、当機構へお問い合わせください。
よくある質問
Q. そもそも同時に複数のAIを使う必要はありますか?
A. 急がないなら1本ずつで十分です。同時並行は「速くしたい」ときの手段なので、事故のリスクと速さを天秤にかけて選んでください。
Q. 共有メモは特別なツールが要りますか?
A. いりません。チャットの一行や共有のメモ帳で「誰が・今・何を」が分かれば十分です。大事なのは道具より「始める前に必ず確認する」習慣です。
