制作の舞台裏

【制作の舞台裏 第6回】散らからないAI制作術 ― 命名とバージョン管理

公開日: 2026.08.18

AIを使うと、成果物が一瞬で大量に増える。そして、あっという間に散らかる。私たちの制作では、採用したカット画像677枚に対し、不採用が1,652枚たまった。動画も採用486本に対し不採用367本ある。

合計3,000ファイル超。長く続けられるかどうかは、派手な技術ではなく整理のルールで決まった。

ファイル名だけで「何の・いつの・なぜ」が分かるようにする

ファイル名の分解図。カット番号・開始終了・日時・理由・不採用の印
ファイル名の構成。開いた瞬間に経緯が分かる。

私たちの不採用フォルダには、こういう名前のファイルが並んでいる。

06-07B_start_20260510_153425_眼鏡なし_rejected.jpg
06-07B_start_20260510_143748_結衣別人_rejected.jpg
04-01B_end_20260502_042003_rejected.jpg

左から、カット番号・開始か終了か・日時・なぜダメだったか。フォルダを開いた瞬間に経緯が分かる。

効果は2つある。1つは探す時間が消えること。もう1つは、同じ失敗を繰り返したことに気づけることだ。「眼鏡なし」が2回並んでいれば、それは運ではなく仕組みの問題だと分かる。

消さない——「欠番」として残す

カット6-7Bの不採用フォルダの実際のファイル一覧11件
カット「6-7B」の不採用フォルダの実際の中身。

私たちは制作管理の台帳で、一度作った行を削除しないと決めている。使わなくなったカットは、削除ではなく「欠番」として灰色に塗り、記録として残す。

マスターシートの行は一度作成したら削除しない。外したものは欠番として残す。

削除すると、番号が詰まる。番号が詰まると、過去のメモや会話に出てくる「5-3-B」が別のカットを指すようになる。台帳の番号は、時間が経っても同じものを指し続けなければ意味がない。

あとから場面を追加したくなったときは、番号を振り直さない。既存の番号にアポストロフィを足して 5-35-3' とする。既存の番号は動かさないまま、間に差し込める。

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