制作の舞台裏
【制作の舞台裏 第6回】散らからないAI制作術 ― 命名とバージョン管理
AIを使うと、成果物が一瞬で大量に増える。そして、あっという間に散らかる。私たちの制作では、採用したカット画像677枚に対し、不採用が1,652枚たまった。動画も採用486本に対し不採用367本ある。
合計3,000ファイル超。長く続けられるかどうかは、派手な技術ではなく整理のルールで決まった。
ファイル名だけで「何の・いつの・なぜ」が分かるようにする

私たちの不採用フォルダには、こういう名前のファイルが並んでいる。
06-07B_start_20260510_153425_眼鏡なし_rejected.jpg 06-07B_start_20260510_143748_結衣別人_rejected.jpg 04-01B_end_20260502_042003_rejected.jpg
左から、カット番号・開始か終了か・日時・なぜダメだったか。フォルダを開いた瞬間に経緯が分かる。
効果は2つある。1つは探す時間が消えること。もう1つは、同じ失敗を繰り返したことに気づけることだ。「眼鏡なし」が2回並んでいれば、それは運ではなく仕組みの問題だと分かる。
消さない——「欠番」として残す

私たちは制作管理の台帳で、一度作った行を削除しないと決めている。使わなくなったカットは、削除ではなく「欠番」として灰色に塗り、記録として残す。
マスターシートの行は一度作成したら削除しない。外したものは欠番として残す。
削除すると、番号が詰まる。番号が詰まると、過去のメモや会話に出てくる「5-3-B」が別のカットを指すようになる。台帳の番号は、時間が経っても同じものを指し続けなければ意味がない。
あとから場面を追加したくなったときは、番号を振り直さない。既存の番号にアポストロフィを足して 5-3 → 5-3' とする。既存の番号は動かさないまま、間に差し込める。
